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将棋八大タイトル 挑戦者決定までの違い その2「竜王戦」

将棋のタイトルは、「名人」、「竜王」、「王位」、「王座」、「棋王」、「王将」、「棋聖」、そして、2017年からタイトル戦に昇格した「叡王」(えいおう)で、八大タイトルとなりますが、それぞれ、挑戦者を決定するまでの予選の過程が異なります。第二回目として竜王戦のクラス別予選トーナメントの「ランキング戦」および「挑戦者決定トーナメント」ついて見ていこうと思います。
まず、現在の「竜王戦」は、「九段戦」(十段戦の前身となる棋戦で、1950年から1961年まで行われていた)、「十段戦」(1962年より1987年)を経て、 それまで26期続いた十段戦を解消し、1988年(昭和63年)に最高賞金額のタイトルとして設立されました。前進の「九段戦」「十段戦」を合わせると、「名人戦」の次に歴史ある棋戦となります。

竜王戦の挑戦者決定までの道

  • 参加棋士は、全棋士の他に、注目事項として「女流棋士4名」と「奨励会員1名」と「アマチュア5名」が参加できる点が挙げられます。
  • 上位から「1組」「2組」「3組」「4組」「5組」「6組」に分かれており、それぞれ、持ち時間各5時間の「ランキング戦」という予選トーナメント戦を行います。
  • 各組の上位者にである「1組の上位5名」、「2組の上位2名」、「3組の優勝者各1名」、「4組の優勝者各1名」、「5組の優勝者各1名」、「6組の優勝者各1名」の合計11名が予選突破者となり、この11名で「挑戦者決定トーナメント」を行い、挑戦者を決めます。
  • 「挑戦者決定トーナメント」は、変則的なトーナメントで、1組の優勝者が有利なトーナメントなっていますが、1組のランキング戦で優勝しても挑戦者になれないというのはちょっと、理不尽な気もします。実際に、「1組」優勝者が挑戦者になったのは、丸山忠久9段(名人2期、棋王1期)が23期(2011年)と28期(2016年)になった2回だけで、しかも、「竜王奪取はゼロ」という、データ的には有利とは思えない呪われたような結果となっています
  • 挑戦者決定戦のみ三番勝負で行われ、持ち時間は各5時間で、先に2勝したものが挑戦者となる。
  • トーナメント戦で挑戦者を決定するので、下位の組のものが優勝することもありえるのです。なお、3組以下の者が、挑戦者となった場合は、一気に1組に昇級する。過去、最も低いクラスでの挑戦者は、4組優勝者が3回挑戦者に決定したことがあり、しかも、そのうち2回は、竜王を奪取しております。(10期:真田圭一×、11期:藤井猛○、17期:渡辺明○)

 

「1組」、定員:16名、--------、降級4名、

「2組」、定員:16名、昇級4名、降級4名、

「3組」、定員:16名、昇級4名、降級4名、

「4組」、定員:32名、昇級4名、降級4名、

「5組」、定員:32名、昇級4名、降級4名、

「6組」、残り全員 、昇級4名、「女流棋士4名」「奨励会員1名」「アマチュア5名」枠あり

 

竜王戦の対局方式

  • 例年10月から12月にかけて竜王と挑戦者が七番勝負を行います。
  • 持ち時間はそれぞれ8時間で、1日目の終わりに封じ手を行い、二日にかけて行われます。
  • 竜王戦7番勝負は、全国の旅館などで行われ、また、第1局目は定期的に海外で行われています。
  • はじめて海外で行われた竜王戦は、第3期竜王戦(1990年)で、ドイツ(フランクフルト)のインターコンチネンタルホテルで行われた「羽生善治 竜王」対「谷川浩司 王位・王座」戦です。ちなみに、竜王戦以外では、それ以前に、1976年の棋王戦(ハワイ)、1985年の棋聖戦(ロサンゼルス)の2戦が行われているようです。

 

永世竜王

  • 永世称号である「永世竜王」は、竜王位を連続5期もしくは通算7期以上保持した棋士に与えられる。
  • 2017年10月現在、永世竜王の資格を持つ棋士は「渡辺明」氏のみ。
  • 「羽生善治」氏は、通算6期で永世竜王に王手をかけており、あと1期獲得すると竜王を含む7大タイトル全てで永世称号を得る。2003年に第16期竜王戦で竜王を失ってから遠のいているが、2017年竜王戦挑戦者に決定しており、10月~12月のタイトル戦で奪取すれば、永世7大タイトルをコンプリートしたはじめての棋士となる。
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