「第90回アカデミー賞(Academy awards)のメーキャップ部門」を日本人が受賞
「辻 一弘 」氏、アカデミー賞のメーキャップ部門受賞
- 「第90回アカデミー賞のメーキャップ部門」を受賞した京都出身の「辻 一弘 氏(48)」は、映画「ウィンストン・チャーチル ヒトラーから世界を救った男」で、チャーチル英首相に扮したゲイリー・オールドマン 氏の特殊メイクを担当し、日本人で初めて、アカデミー賞メーキャップ部門を受賞しました。
- オスカー像を手にした「辻 一弘 」氏は、映画の特殊メイクの技術を独学で研究した後に、1996年から米国ハリウッドで活動していましたが、主にスター役者との人間関係に嫌気がさしたようで、現在は、ロサンゼルスで胸像の制作をしており、アーティスト活動を中心にしているようです。
- 辻氏は、過去に、メイクアップ賞を2年連続でノミネートされた経験があり、今回、三回目のノミネートで受賞に到りました。2006年(第79回)メイクアップ賞 「もしも昨日が選べたら」、2007年(第80回)「マッド・ファット・ワイフ」。
アカデミー賞
- アカデミー賞(Oscar、Academy awards)授賞式は毎年2月の最終もしくは3月の第1日曜日にハリウッドのドルビー・シアターで行われます。部門毎に分かれた本賞と、該当者が出たときに送られる特別賞があるようです。詳細↓
日本人受賞者歴
役者系(助演女優賞)
- 1957年(第30回) 助演女優賞を受賞。「サヨナラ」 。ナンシー梅木。
デザイン系(メイクアップ&ヘアスタイリング賞、衣装デザイン賞)
- 2017年(第90回) メイクアップ&ヘアスタイリング賞を受賞 「ウィンストン・チャーチル/ヒトラーから世界を救った男」 辻一弘、デヴィッド・マリノフスキ、ルーシー・シビックの共同受賞。
- 1954年(第27回)衣装デザイン賞を受賞。 和田三造。「地獄門」(衣笠貞之助監督作)
- 1985年(第58回) 衣装デザイン賞を受賞。ワダ・エミ 。「乱」は、衣装デザイン賞の受賞を含めて全4部門で候補になる。
- 1992年(第65回) 衣装デザイン賞を受賞 。 石岡瑛子。「ドラキュラ」
音楽系(作曲賞、音響編集賞)
- 1987年(第60回) 作曲賞を受賞。「ラストエンペラー」 坂本龍一 は、デヴィッド・バーン、コン・スーとの共同受賞。
- 2006年(第79回)音響編集賞を受賞。「硫黄島からの手紙」(主演・渡辺謙)アメリカ映画ですが、日本側の視点で描かれている。他、作品賞・監督賞・脚本賞の4部門にノミネートされた。日本語による作品が外国語映画賞ではなく、作品賞候補になったのは史上初。
作品系(外国語映画賞、アニメ賞、ドキュメンタリー賞)
- 1975年(第48回) 外国語映画賞を受賞。「デルス・ウザーラ」(黒澤明監督作)「デルス・ウザーラ」は、ソ連代表として受賞。
- 1998年(第71回) 短編ドキュメンタリー映画賞を受賞。「パーソナルズ~黄昏のロマンス~」(伊比恵子監督作)
- 2002年(第75回) 長編アニメ賞を受賞。アニメ映画「千と千尋の神隠し」(宮崎駿監督作)
- 2008年(第81回)短編アニメーション賞を受賞。アニメ映画「つみきのいえ」(加藤久仁生監督作)
- 2008年(第81回) 外国語映画賞を受賞。「おくりびと」(滝田洋二郎監督作)の受賞は、外国語映画賞が独立した賞となってからの日本映画の受賞として史上初。
名誉賞
- 1951年(第24回) 名誉賞を受賞。「羅生門」(黒澤明監督作)
- 1954年(第27回) 名誉賞を受賞。「地獄門」(衣笠貞之助監督作)
- 1955年(第28回) 名誉賞を受賞。「宮本武蔵」(稲垣浩監督作)
- 1989年(第62回) 名誉賞を受賞。黒澤明
- 2014年(第87回) 名誉賞を受賞。宮﨑駿
科学技術賞 + ゴードン・E・ソーヤー賞
- 1972年(第45回) 科学技術賞を受賞。キヤノンの向井二郎、広瀬隆昌は、映画用マクロズームレンズの開発による受賞。
- 1975年(第48回) 科学技術賞を受賞。キヤノンの鈴川博
- 1981年(第54回) 科学技術賞を受賞。富士写真フイルム(現在の富士フイルムホールディングス)の受賞は、映画用高感度カラーネガフィルムの開発による。
- 2001年(第74回) 科学技術賞を受賞。「塚田眞人、金子昌司らIMAGICA」、「藤江大二郎 Nikon」。 「65/35 マルチフォーマット・オプチカルプリンター」
- 2004年(第77回) ゴードン・E・ソーヤー賞を受賞。宮城島卓夫(Takuo "Tak" Miyagishima )はパナビジョン社のエンジニア。レンズの開発
- 2007年(第80回) 科学技術賞を受賞。坂口亮は、流体シミュレーション・システムの開発により共同で受賞。
- 2009年(第82回) 科学技術賞を受賞。富士フイルムの三木正章、西村亮治、細谷陽一。フィルム「ETERNA-RDI」は映画専用の高性能フィルム。高精細なデジタルマスターの映像を、より忠実にフィルムへ出力が可能にする。
- 2011年(第84回) 科学技術賞を受賞。「富士フイルムの大関勝久、平野浩司、白井英行」。フィルム「ETERNA-RDS」は、映画を500年間に渡り長期保存を実現する デジタルセパレーション用黒白レコーディングフィルム。
- 2014年(第87回)科学技術賞を受賞。「ソニーの筒井一郎、武昌宏、田村光康、浅野慎」。「業務用HD有機ELマスターモニター」(放送・上映前の映像を最終チェックするモニター)
- 2015年(第88回) 科学技術賞を受賞。「中垣清介」。「MARI(The Foundry Mari )」の開発。The Foundry社が提供する3Dペイントソフトウェア。「中垣、Jack Greasley、Duncan Hopkins、Carl Randの4名に授与」。
- 2016年(第89回)科学技術賞を受賞。「ソニーの須藤文彦、大西俊彦 他」。デジタルシネマカメラ。ソニーは高画質のイメージセンサーを搭載し、高精細な4Kをスクリーンで実現した CineAlta(シネアルタ)「F65」の自主開発。並びにパナビジョンと受賞したジェネシスの共同開発。
アカデミー賞
アカデミー賞部門賞
- 作品賞 (Academy Award for best motion picture of the year, 1928 - )
- 監督賞 (Academy Award for Achievement in cinematic direction, 1928 - )
- 主演男優賞 (Academy Award for Performance by an actor in a leading role, 1928 - )
- 主演女優賞 (Academy Award for Performance by an actress in a leading role, 1928 - )美術賞 (Academy Award for Best Production Design, 1928 - )
- 影賞 (Academy Award for Best Cinematography, 1928 - )
- 脚色賞 (Academy Award for Writing Adapted Screenplay, 1928 - )
- 録音賞 (Academy Award for Sound Mixing, 1930 - )
- 短編アニメ賞 (Academy Award for Animated Short Film, 1931 - )
- 歌曲賞 (Academy Award for Best Original Song, 1934 - )
- 作曲賞 (Academy Award for Original Music Score, 1934 - )
- 編集賞 (Academy Award for Film Editing, 1935 - )
- 助演男優賞 (Academy Award for Best Supporting Actor, 1936 - )
- 助演女優賞 (Academy Award for Best Supporting Actress, 1936 - )
- 視覚効果賞 (Academy Award for Visual Effects, 1939 - )
- 脚本賞 (Academy Award for Writing Original Screenplay, 1940 - )
- 外国語映画賞 (Academy Award for Best Foreign Language Film, 1947 - )
- 音響編集賞 (Academy Award for Sound Editing, 1963 - )
- 短編映画賞 (Academy Award for Best Live Action Short Film, 1974 - )
- 長編ドキュメンタリー賞 (Academy Award for Best Documentary Feature, 1980 - )
- 短編ドキュメンタリー賞 (Academy Award for Best Documentary Short Subject, 1980 - )
- メイクアップ&ヘアスタイリング賞 (Academy Award for Best Makeup and Hairstyling, 1981 - )
- 長編アニメ賞 (Academy Award for Best Animated Feature, 2001 - )
- 撮影賞・美術賞(当時の呼称は室内装置賞)衣裳デザイン賞はカラーと白黒で部門分けされていた。第30回(1957年度)に一本化され、その後、撮影賞は第31回(1958年度)に、美術賞と衣裳デザイン賞は第32回(1959年度)に二分化されたが、再び、第40回(1967年度)に一本化された。
特別賞
本賞以外に、功績のあった者に贈られる賞のことで、毎年、選出されるわけではありません。定まった賞の名称はなく、単に「特別賞」、「名誉賞」の名称で贈られたり、特定の条件を満たした場合には「特定の賞(条件の名を冠した下記のような賞↓)」が贈られます。
- アービング・G・タルバーグ賞 映画業界に顕著な功績のあったプロデューサーに対して贈られる賞
- ジーン・ハーショルト友愛賞 長年にわたり映画業界全体の発展に顕著な功績のあった人物に対して贈られる賞
- ゴードン・E・ソーヤー賞 映画業界に技術面で顕著な功績のあった技術者に対して贈られる賞
- 特別業績賞
- 科学技術賞