ボストンマラソン優勝「川内優輝」
日本人選手31年ぶりの優勝。
- 「川内優輝」選手プロ転向。
- 「ワールド・マラソン・メジャーズ」について
第122回ボストンマラソン：結果・展開
- 公務員ランナーでおなじみの「川内優輝（31歳、埼玉県庁）」選手が、2018年4月16日、米マサチューセッツ州ボストンで行われた第122回ボストンマラソンで、初優勝（優勝賞金15万ドル＝約1650万円）しました。また、世界最高峰シリーズ「ワールド・マラソン・メジャーズ」に属する大会で、日本人初優勝となりました。
- 大雨、強風、スタート時の気温3.3度とレースコンディションは最悪でしたが、スタートから大逃げ策を敢行し、粘りの走りで40km過ぎに、ジョフリー・キルイ（ケニア、17年ロンドン世界陸上王者、2017年B.M大会覇者）をかわし、2位に2分25秒の大差をつけて、2時間15分58秒のタイムで優勝しました。
ボストンマラソンについて
- 過去に優勝した日本人選手は、7人、8回（今回で8人、9回）もいるようですが、ココ最近は全くおらず、日本人選手の優勝は31年ぶりで、1987年優勝の「瀬古利彦」選手以来の優勝となったようです。ちなみに、「瀬古利彦」選手は、1987年（2時間9分21秒）、1981年（2時間11分50秒）と2回優勝しております。
- 前回のボストンマラソン大会（2017年）では、大迫傑（26歳）選手が日本人30年ぶりの表彰台となる3位となっています。
- ボストンマラソンは国際陸連が求める条件を満たしていない片道コースのため、公認記録とはならないようです。
川内優輝選手について
- ボストンマラソンで優勝した川内優輝（31＝埼玉県庁）選手が、優勝賞金15万ドル等を資金にして、プロランナーに転向することを決意したようです。現在、埼玉県立久喜高の定時制高校事務員である川内氏は、創立100年記念誌の副編集長を最後の仕事ととし、来年の2019年4月より、プロマラソン選手として活動していくようです。
- 公務員とマラソンの両立で臨んだ、ロンドン世界陸上（2017年8月）では2時間12分19秒の9位で、あと１歩で入賞に届かず、自己ベストも、2時間8分14秒（2013年ソウル国際）を5年間更新していないことが、今回の決断に到った理由のようです。
- 昨夏のロンドン世界陸上（2017年8月）で９位だったため、限界を感じたのか、男子マラソンの日本代表からの引退を表明しましたが、新たに、環境をかえて、世界で勝負ていくようです。
- 2018年1月1日、気温氷点下17度でボストン近郊行われたマーシュフィールド・ニューイヤーズデイ・マラソン大会で、2時間18分59秒で完走し、「2時間20分以内の最多完走数」が78回のギネス世界記録となり、3月に認定証が授与されました。
- 2013年1月18日、エジプト国際マラソン（エジプト・ルクソール）に、招待選手として旅費負担は免除されていました。しかし、パスポートを忘れ、約80万円の航空券を自腹で購入する事件がありましたが、レースでは、2時間12分24秒の大会新記録で優勝しています。
- 川内優輝選手（長男）には弟が二人いて、しかも、鮮輝（次男）はプロ選手として活動しており、2017年12月の福岡国際マラソンでは、自己ベストを４分以上更新したことも今回の決断に影響しているようです。
プロとアマチュアランナーの違い
- 実業団に所属している場合は、所属会社からのサポート。（設楽、その他アマ選手）
- プロ選手（1例目）は、個人的にスポンサーを募って活動します。（大迫傑：ナイキ、デルタ航空、明治などが個人スポンサー）
- プロ選手（2例目）は、個人事務所を設立してスポンサーを募っている。（藤原新、八木勇樹、など）
- 公務員は賞金は受け取れるようですが、招待選手としての出場料（有力選手で最大100万円程度）は無いようです。
- 公務員（定時制高校事務員、約9年間）時代は、年収約５００万円（推定）で、練習は、平日は朝と勤務後にトレーニング。休日に各地のレースに参戦。長期での高地トレーニングはできなかったようです。
「ワールド・マラソン・メジャーズ」
ポイント対象レース（現8レース）の着順に応じてポイントが与えられ、合計ポイントで優勝者を決定するマラソンのシリーズ戦です。（同点の場合はレースディレクターにより決定。）
「ワールド・マラソン・メジャーズ、2017～18年シリーズ」結果
- マラソンの世界最高峰シリーズ「ワールド・マラソン・メジャーズ、2017～18年シリーズ」の総合成績が発表され、ボストンマラソンで優勝した「川内優輝 選手」が総合３位となりました。（川内は獲得ポイントでケニアなどの４選手と３番手に並んだが、ボストンでの優勝が高く評価され、レースディレクターによる投票で３位に選ばれたようです。）
- 総合王者に25万ドル、３位は２万５千ドル（約273万円）の賞金が与えられるようです。
- 「今2017～18年シリーズ」は昨年４月下旬のロンドンマラソンから今年４月中旬のボストンマラソンまで世界選手権を含めた８レースが対象。
- 男子は17年ベルリンと今年のロンドンを勝ったエリウド・キプチョゲ、
- 女子は17年ロンドンで優勝したメアリー・ケイタニーと、ケニア勢が総合優勝に輝いた。
「ワールド・マラソン・メジャーズ」シリーズ対象レース
東京マラソン（2月下旬）
ボストンマラソン（4月中旬）
ロンドンマラソン（4月下旬）
オリンピック（4年に一度、8月頃）
世界陸上選手権（2年に一度、8月頃）
ベルリンマラソン（9月下旬）
シカゴマラソン（10月上旬）
ニューヨークシティマラソン（11月初旬）
