「スピードスケート女子1000m」世界新記録
世界新:スピードスケート女子1000M
2017年12月10日、スピードスケートのワールドカップ(米、ソルトレイクシティ)、女子1000メートルで、「小平奈緒選手」が0.09秒更新する1分12秒09の世界新記録で優勝しました。これまでの世界記録(1分12秒18:米、ブリタニー・ボウ)を2年ぶりに更新しました。スピードスケートの個人単種目で、日本女子選手が世界新を記録したのは、史上初です。
レース展開
小平奈緒選手は、ソルトレークシティーのワールドカップ第4戦女子1000メートルで、高木美帆選手と最終の同組で滑走し、世界記録を上回るペースで200Mを通過し、さらに中盤で加速し、600Mの通過時点では世界記録を0秒40上回るペースで、最終的には、1分12秒09の世界新記録で優勝しました。
これまでの、小平奈緒選手について
- 2017年2月に開かれた世界スプリント選手権(カナダ/カルガリー)で「スプリントコンビネーション(500Mと1000Mの4つの合計ポイントで競う)」等で世界新記録を出していますが、日本女子選手が個人単種目での世界新記録は史上初で、しかも、オリンピックで採用されている個人種目としても、日本女子選手初の世界新となります。
- 小平奈緒選手は、長野県出身の31歳で、バンクーバー大会(2010年)とソチ大会(2014年)の2回、冬季オリンピックに出場しています。
- バンクーバー大会では、女子団体パシュートで銀メダル。個人種目では500Mで12位、1000Mで5位、1500Mで5位。
- ソチ大会では、500Mでは5位、1000Mで13位。
- ソチ大会後、オランダに2年間スケート留学し、その後日本に拠点を戻し、フォームの改良に取り組み、その成果として、昨シーズンワールドカップ500Mで、出場した8つのレースにすべてで優勝し、2回目の総合優勝したわけです。そして今シーズン、ワールドカップでは出場した500Mで、昨シーズンから15連勝という圧倒的な成績を残しています。
- 1000Mでは、2017年2月、世界スプリント選手権(カナダ/カルガリー)で1分12秒51の日本新を記録しており、そして、今シーズンワールドカップでは、1000Mで世界新を記録しました。
- ピョンチャン冬季オリンピック(2018年)では、「15連勝の500M」と「世界記録の1000M」の短距離2種目で金メダルの期待がかかります。(冬季オリンピックの女子スピードスケートの個人種目でのメダルは、長野オリンピック(1998年)の500Mで銅メダルを獲得した岡崎朋美選手。)
日本選手の世界記録
スピードスケートの競技は、「500Mや1000Mなどの単一種目」と「複数レースのタイムをポイント換算して競うポイント競技」の2種類があるようですが、「個人の単一種目」で日本選手6人、また、団体競技の「女子団体パシュート」で1チームが、世界記録を出しています。
- 男子500Mでは、1969年に日本選手として初めて鈴木恵一選手が世界記録を更新しています。その後、1996年~2001年に、清水宏保選手(長野オリンピックの金メダリスト)が4回更新しており、さらに、2005年に、加藤条治選手(バンクーバーオリンピックの銅メダリスト)が清水選手の世界記録を更新しています。
- 男子1000Mでは、1994年に宮部保範選手が、1996年には堀井学選手がそれぞれ更新しています。
- 男子1500Mでは、1996年に野明弘幸選手が世界新を記録しています。
- 女子では、2017年、小平奈緒選手が1000Mが史上初となります。
- 団体種目では、女子団体パシュートで、2017年11月、12月のワールドカップで世界記録を連続して更新しています。