将棋八大タイトル 挑戦者決定までの違い その7「王将戦」
将棋のタイトルは、「名人」、「竜王」、「王位」、「王座」、「棋王」、「王将」、「棋聖」、そして、2017年からタイトル戦に昇格した「叡王」(えいおう)で、八大タイトルとなりますが、それぞれ、挑戦者を決定するまでの予選の過程が異なります。今回は、「王将戦」の詳細について見てみたいと思います。
「王将戦」は、「スポーツニッポン新聞社」及び「毎日新聞社」の主催のタイトル戦で、1950年に創設され、1951年にタイトル戦に格上げされました。「名人」、「竜王」(前身の九段戦、十段戦合わせると)、「王将」と歴史あるタイトルとなっています。
「王将戦」の挑戦者決定までの道
「一次予選」 → 「二次予選」 → 「挑戦者決定リーグ戦」 → 「王座戦七番勝負」の順で行われます。
1.「一次予選」
- 順位戦B級1組以下の全棋士(シード者と二次予選から出場する棋士を除く)により、トーナメント戦で行われる。
- 各ブロックのトーナメント勝者が二次予選に進出する。(予選通過枠は毎年異なる)
2.「二次予選」
- 「一次予選通過者」と、シード棋士である(「前期挑戦者決定リーグ陥落者」、「タイトル保持者」、「順位戦A級の棋士及び永世称号者」)合わせて18人で、トーナメント戦が行われ、持ち時間は3時間です。
- 3ブロックに分かれて、3人のトーナメント戦勝者が、挑戦者決定リーグに進出する。
3.「挑戦者決定リーグ戦」
- 「二次予選通過者3人」と「シード者(前期挑戦者決定リーグ残留者と王将戦敗者)4人」の計7人で、総当たりのリーグ戦を行います。
- 持ち時間は、各4時間で行われます。
- 成績最上位者が複数出た場合は、原則シード順位で上位の2人によるプレーオフが行われる。
- 成績上位者4人が、次年度の王将戦の挑戦者決定リーグのシード権を得る。(勝ち星が並んだ場合は前期挑戦者決定リーグ残留者の順位が優先される。)
- 二次予選通過者同士で勝ち星が並んだ場合はリーグ残留の場合は翌年は同順位、4位で並んだ場合は残留者決定プレーオフが行われる。
4.「王将戦七番勝負」
- タイトル保持者の「王将」と「リーグ優勝者」が、例年1月から3月にかけて七番勝負を行います。
- 王将戦七番勝負は、2日制で封じ手を行い、持ち時間各8時間です。
- 七番勝負は全国各地の旅館や料亭などで開催されます。
5.「永世王将」(永世称号)
- 永世称号である「永世王将」は、王将位を通算10期以上保持した棋士に与えられます。
- 永世王将への就位は、原則として引退後となります。(大山康晴氏は1973年、王将のタイトルを失い無冠となった際、特例的に現役で永世王将を名乗っていたことがある。)
「永世王将資格者」
永世王将の資格を持つ棋士は二人だけのようです。
- 大山康晴
- 羽生善治