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将棋八大タイトル 挑戦者決定までの違い その8「棋聖戦」

将棋のタイトルは、「名人」、「竜王」、「王位」、「王座」、「棋王」、「王将」、「棋聖」、そして、2017年からタイトル戦に昇格した「叡王」(えいおう)で、八大タイトルとなりますが、それぞれ、挑戦者を決定するまでの予選の過程が異なります。今回は、「棋聖戦」の詳細について見てみたいと思います。

  • 「棋聖戦」(産経新聞社主催)の前身は、「早指し王位決定戦」(第1回・1954年~第6回・1959年)であるが、1960年に「三社連合」と共同開催の4番目のタイトルとして「王位戦」となり、その後、1962年に分離し単独開催(産経新聞社主催)され、棋聖戦が開始されました。
  • 創設時の1962年から1994年度までは、タイトル戦の中で唯一、1年に2期(五番勝負は6~7月と12月~2月)行われていました。現行の年1期制となったのは、羽生善治氏が七冠独占を果たした1995年度です。
  • 第81期(2010年)より挑戦者決定の仕様が、「一次予選」・「二次予選」・「挑戦者決定トーナメント」の3段階のシステムに変更されました。

なお「棋聖」の本来の意味は、「将棋」や「囲碁」に特別な才能をもつ者への尊称であり、将棋においては、江戸時代末期の天才棋士「天野宗歩を示すようです。

 

「棋聖戦」の挑戦者決定までの道

「一次予選」 → 「二次予選」 → 「挑戦者決定トーナメント戦」 → 「棋聖戦五番勝負」の順で行われます

 

1.「一次予選」

  • 「順位戦C級1組以下の棋士(シード者以外)」と、「女流棋士2人」でトーナメント戦を行います。8人が二次予選に進む。
  • なお、シード者以外の順位戦C級1組以下の棋士であっても、前期の戦績によっては二次予選からの出場となる場合がある。
  • 持ち時間は、81期(2010年)から、チェスクロック使用の1時間(以前は3時間)に短縮され、1日に2局指す場合もある。

 

2.「二次予選」

  • 「一次予選の勝ち抜き者8人」と、「シード者以外のB級2組以上の棋士」で、持ち時間が各3時間のトーナメント戦が行われます。
  • なお、「棋聖戦五番勝負出場経験者」、「前期決勝トーナメント進出者」は、C級1組以下であっても二次予選からの出場となる。
  • 81期よりシード人数が変動する仕様になったため、「勝ち抜け枠」は毎年、変動します。

 

3.「挑戦者決定トーナメント戦」

  • 「二次予選の勝ち抜き者」と「シード者」の計16人が参加する。
  • 持ち時間は各4時間のトーナメント戦が行われ、「優勝者」が「棋聖」と五番勝負を戦う。
  • シード者は、「前期挑戦者決定トーナメントベスト4以上(前期棋聖が敗れた場合を含む)」、「タイトル保持者」、「永世棋聖資格者(現役では羽生善治、佐藤康光)」となっています。

 

4.「棋聖戦五番勝負」

  • タイトル保持者の「棋聖」と「挑戦者決定トーナメント優勝者」が、例年6月から8月にかけて五番勝負を行います。
  • 持ち時間は各4時間で、1日制で行われます。
  • 五番勝負は全国各地の旅館や料亭などで開催されます。

 

5.「永世棋聖」(永世称号)

  • 永世称号である「永世棋聖」は、棋聖位を通算5期以上保持した棋士に与えられます。(永世称号の資格基準は、他のタイトル戦と比較して、最も低い難易度だと思われます。)
  • 永世棋聖への就位は、原則として引退後となります。
「永世棋聖資格者」

永世棋聖および資格を持つ棋士は五人だけのようです。

  • 大山康晴
  • 中原誠
  • 米長邦雄
  • 羽生善治(現役)
  • 佐藤康光(現役)

 

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