将棋対局 森内俊之九段 対 藤井聡太四段(第67回NHK杯、2回戦)
第67回NHK杯テレビ将棋トーナメント対局2回戦、「森内俊之九段 対 藤井聡太四段」は、なんと生放送で行われました。もちろん、通常の対局は録画放送がほとんどです。NHKがテレビ生放送した対局は、第57回NHK杯テレビ将棋トーナメント対局の2008年に行われた決勝で、佐藤康光棋聖(当時のタイトル保持)が鈴木大介八段(当時の段位)を破り優勝した棋戦が、史上初の生放送で、それ以来の生放送対局(解説:佐藤康光将棋連盟会長、中村太地六段、司会:藤田綾女流二段)となりました。
藤井四段は、デビュー戦以来の29連勝の30年ぶりに歴代1位の記録(それ以前は、神谷広志八段の28連勝)を塗り替え、残念ながら、第30期竜王戦決勝トーナメント2回戦で、佐々木勇気五段に連勝記録はストップされましたが、一気に実力を知らしめ、将棋の注目度と人気の高まりに貢献している、史上、最年少で棋士になった中学生プロです。ちなみに、中学生でプロになったのは、加藤一二三九段(14歳7ヶ月、タイトル獲得8期)、谷川浩司九段(14歳8ヶ月、タイトル獲得27期)、羽生善治二冠(15歳2ヶ月、タイトル獲得97期)、渡辺明竜王(15歳11ヶ月、タイトル獲得19期)、藤井聡太四段(最年少14歳2ヶ月)の五人しかいません。藤井四段以外の棋士は、いずれもタイトルを複数回獲得した棋士になっているので、期待が高まる訳です。つい最近までは、藤井と言えば、竜王3期獲得し、「藤井システム」で有名な、いわゆる羽生世代の、藤井猛九段を思い浮かべましたが。
一方、森内九段は、名人位を8期も獲得し、「18世名人」の永世名人資格をもつ超有名棋士です。ちなみに、永世名人とは、名人位を5期以上獲得した棋士に与えられる称号で、「17世名人」は谷川浩司九段、「19世名人」は羽生善治二冠です。また、今年から、日本将棋連盟の専務理事を務めていることもあり、将棋界で最も注目を集めている藤井四段との対局の生放送を快諾し、異例の生放送が実現したようです。
結果は、序盤、矢倉戦もようから、急戦になり、94手で藤井四段の勝ちとなりました。これで、公式戦の通算成績は、39勝5敗となり、0.886と非常に高い勝率となっています。
次回、NHK杯3回戦の対局では、藤井聡太四段は、前期にA級順位戦で1位となり、名人戦の挑戦者となった稲葉陽八段(佐藤天彦名人の防衛)と対戦するようで、これまた楽しみな対局です。